日本列島における美意識・価値観の変遷

制作:戸田光祐

縄文から現代に至るまで、日本列島における美意識・価値観を時代ごとにまとめました。

縄文

祈り / 畏敬

自然との共生と精神的な尊崇。「祈る」「敬う」心が縄文土器や土偶の造形美に表れていると考えられる。

弥生

豊穣 / 秩序

農耕社会の始まり。収穫に結びつく信仰。弥生土器にみられる安定の美。

古墳〜飛鳥

和 / 格式

「和を以て貴しと為す」聖徳太子の言葉に象徴される調和・共生の精神。神社社殿の成立や古墳築造に象徴される権威のある美。

奈良

荘厳 / 信仰

仏教伝来と国家体制の確立。建築・仏像・装飾にみる壮麗さと宗教的な敬虔さ。

平安

みやび / あはれ / をかし

公家の貴族文化の洗練。感受性や風流を重んじ、雅やかで繊細な美意識が育まれた時代。

鎌倉

禅 / 諸行無常 / 武士道精神

武家社会と禅宗の影響。移ろいを感じる中にある美と、精神的な道(どう)の芽生え。

室町

わび / さび / 渋い / 間 / 余白

不完全や静寂の美。侘茶、枯山水、能などに見られる簡素・沈黙の美意識。

南北朝〜戦国

ばさら

派手さ・奇抜さ・個性を重視した反骨の美。「かぶく」精神の先駆。

安土桃山

豪華絢爛

金碧襖絵や桃山陶に見られる華美。南蛮文化の影響。華やかさと力の象徴。

江戸

粋 / いき / かわいい / かぶく / はんなり

町人文化の成熟。洒落、遊び心、上品で柔らかな気品。浮世絵や歌舞伎にも表出。

明治

和魂洋才 / モダン

伝統を保ちつつ西洋の技術と様式を吸収。文明開化における和と洋の融合。

大正

大正浪漫 / ハイカラ

個人の感性、装飾、夢想を尊ぶ。西洋化と詩情が融合した時代感覚。

昭和

大衆性 / 個の自由 / 無名の美

大衆文化の拡がり、多様な表現の解放、匿名の美へのまなざし。量産品・生活美・前衛芸術の並存。

平成

ふつう / 自然体 / かわいい / 多様性

日常や普通の肯定。ありのままを受け入れる感性。サブカルとポップの浸透。

令和(現代)

共感 / 共創 / 共生

感情や価値観を理解・共有し、個人やコミュニティが協力し新たな価値を生み出す。環境や多様性を尊重し持続可能な社会を目指す。


上記にあげた美意識・価値観は極めて限定的であり、日本列島におけるすべての美意識・価値観を網羅するものではありません。また、私個人の主観が多分に含まれていることも考慮して頂けたらと思います。

しかしながら、概要をつかむという意味では価値があると考えこのサイトに掲載しました。

まとめようと思った動機としては、私自身が作品を手掛ける際に、デザインものづくりの拠り所として歴史や風土がとても大切な要素であることに気づいたことがきっかけです。

あなたの創造に多少なりとも寄与できれば幸いです。

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